あとがき  〜「変らないもの」〜

 

執筆年月日 2002年9月


Web小説投稿サイト『- Short Story FIGHT CLUB -』に投稿した作品です。
(サイトへはこちらから飛べます

『つづみ』というPNで参加しました。


こちらのサイトさんに挑戦するのはこれで二回目!

『つづみ』という名前で、投稿するぞ!と気合を入れると
不思議と作風が違うような気がしてくるのは、なんでだろう?

というわけで、今回の修行。
(このサイトに投稿するのは、ひとつの修行です)
前回同様このサイトさんのお決まりなのが『お題』
今回のお題は『偽』

前回の『香』に比べたら、幾分イメージがわきやすいかなぁ
そんな風に思って取り掛かってみたものの・・・。
言葉のイメージから、想像できるものなんて限られてしまって。
皆さんも、想像してみてください。なんとなくわかっていただけると思うんです
ちょっと、イメージの悪い言葉ですよね(笑)
だけど、この言葉からイメージされるものだけでは、ありきたりな話になってしまう。
きっと、出てくる作品たちの中にも似たようなものが多くなるに違いない。
もちろん、私らしい。のんびりのほほんな雰囲気だけは壊したくない。
悩みました。めちゃくちゃ悩みました。
前回に比べて、書き始めるまでに時間が掛かりました。

さて、今回のお話。
言葉のイメージに左右されないで、柔らかいお話を書きたかった。
言葉のイメージが悪いからこそ、暗い話にも、悲しい話にもしたくなかった。


実際に、こんなケースがあるのかなぁ?
法律上、どうなるのかどうかとかあんまり考えずに書いてしまった(笑)
戸籍に関しては、いろいろ調べたんですけど。
母親の籍に入っていれば、たとえ養子でも親子は親子。
貴之は生まれてすぐにこの母親に引き取られているわけですから
何の問題もなく、親子であると。
彼の親戚が、何も言わずに貴之を手放したのはおかしいのでは?
とご指摘もいただきましたが。
世間体を気にする親戚であれば、貴之を疎むのは目に見えてます。
そして、その子を育てる程に、愛情がなかったとしたら。

彼の将来を悲観したら、ちょっと大きな決断をしてしまった母の気持ちも
女の私には、わかる気がした。
だから、ありえなくはない、のかなぁって。
実際、お話の中にその辺の事は、少しも書かれてはいません。
ただ、母は愛人だった。
女として、愛する人との子供が欲しいと思う気持ち。
実の子供ではなくても、愛する人の子供を育てたいと思う気持ち。
そういう気持ちって、女としては十分理解できる。
残りの自分の人生をかけてもいいと、思うだけの決意も。


その辺の事を、もっと書ければよかったのかもしれません。
いろんな方から、ご意見、ご指摘もいただきましたが、
前にも書きましたが、ただの感動もので終わらせたくなかったし。
のんびりのほほんと、現実を描くことが私の作風でもあります。
現実に沿って書く事は、小説の世界で大事なことだと理解しています。
だけど、あえて書かなかったいろんな部分は。
必要か、そうでないかは読者の方に委ねようと思っています。
そのあたりは、読者さんが汲み取って読んでくださればと
他人任せなのかな?やっぱり。
でも、これでいこう!と思ったその時に、やはり書かなくても良いと決めました。
容量の関係で削ってしまったのもあります。
今回、HPにアップする時点で書き直しも考えたのですが・・・。
このままアップすることにしました。

ですから、ちょっとあれれ?と思ってもお許しください。
そのあたりの突っ込みは、どんどんしてください。

この作品ともう一度向き合えるだけの距離をとったら。
いつか、手を加えるかもしれません。

ちなみに。この作品のタイトルは
偽り続けることで、いつか真実に変る。という願いと
偽りも真実も、受ける側の気持ち一つで嘘も本当になるという事
たとえそれが偽りであっても、それまでのことすべてが偽りになる事はないという
愛情と、信頼。
それらを込めてつけました。<なのになんか中途半端?(;^_^A
偽っていた事実はあっても、結局変わらないものっていうのは
絶対に、存在する。
愛情や、絆が深ければ深いだけ。
私は、そう思っています。