あとがき 〜「片腕を探して」〜
執筆年月日 2004年4月
Web小説投稿サイト『-
Short Story FIGHT CLUB -』に投稿した作品です。
(サイトへはこちらから飛べます→)
『つづみ』というPNで参加しました。
こちらのサイトさんに挑戦するのはこれで5回目となります。
前回で、すっかり懲りたはずだったのにねぇ(;^_^A
今回のお題は『美』
『美』といえば、イメージが膨らみやすくてラッキーと思った。
・・・私が馬鹿だった(>_<)
一番悩んだ事は、美しいと綺麗の違いと美意識ですかね。
私が美しいと思う事を書いても、他の人が美しいと感じなければ失敗だと。
それなら、何を美として書くか。そこから考えましたね。
で、誰もが美しいと絶賛するミロのビーナスを題材にして
美しさを語るよりも、そこから何を感じるかに重点を置きました。
最初に出来たのは「それぞれの落し物」
SSFCに投稿するぞ。と最初に書いたのがこちらで。
ですが、こっちは8kbに収まらなくて、推敲待ちってことで寝かせてたんですね。
内容もちょっと、ひいろの個人的な感情が入っちゃってて(苦笑)
投稿サイトに向かないのではと、色々考えて・・・まぁ放っておいたと。
同じ題材を使って、違う話を書こうと出来上がったのが
今回投稿した「片腕を探して」この作品になったわけです。
前回の屈辱(笑)を晴らそう!と意気込んでいたわけではなく
今の自分に出来る、また今の自分に近いものをと書きました。
さて、この作品では、ふしだらな(?)女性が主人公です。
SSFCでも物議を醸し、また好意的・批判的と意見が真っ二つに分かれたという
(特に、男性読者からの批判が集中しましたね。たはは・・・)
ひいろ本人からすれば、驚くべき反応でして。正直困惑。
このお話の核心は、自分自身を見失った女性が辿る日常でして
別にね、誰かれ構わず寝る女とか、貞操観念のない女を書いたつもりはない。
これはもう、断言したい。
私が書きたかったのは、自分でもどうしていいか判らないとき。
人の優しさが痛いと感じ、心が受け入れられないそんな心境を
誰だって一度は感じるだろう。という所に重点を置いています。
自分自身さえ好きになれない時に、誰かを好きになんてなれないでしょう?
自分自身さえ優しくしてやれない時に、誰かに優しさなんて与えられない。
理解して欲しいと思う反面、触れてくれるな、そんな棘のある気持ち。
かけてくれる優しさは判る。その温かさも、気持ちも判るのに
どうして受け入れられない?どうして嬉しいと感じない?
突き放してくれたらどれだけ楽かと、逃げを打ちたくなるそんなとき。
自暴自棄になったり、捨て鉢になったり。
自傷行為に走ったりと、人それぞれの行動があるかと思います。
この彼女の場合、優しさを絶えず与えてくれる彼氏が、
彼女の心境の理解をする前に、変わらずに好きでいようとする。
それが、彼女にとっては苦痛だったという。
彼氏を嫌いになったら、この気持ちは解けて行くだろうか。
嫌いになってくれたら、彼の気持ちは救われるだろうか。
何よりも今、自分自身が嫌いで仕方ないと思う彼女の
現実逃避や自傷行為が、セックスに繋がっているのだと思います。
一時の快楽で、何かを忘れようとしているのか。
自分自身を、彼氏に似合わない女におとしめる事で、逃げ出そうとしていたのか。
その辺は、読み手の皆さんが感じ取っていただけたらと思います。
ちなみにタイトルの「片腕を探して」ですが。
ミロのビーナスなら、失ったのは両腕じゃねぇのか、こら!とお思いでしょう
片腕=片割れという意味合いで読んでいただけると嬉しい。
ビーナスが恋人としての”形”であるなら、彼氏と彼女で一対でしょう?
またビーナスの「何かが欠けていても美しい」という描写では
何を失っているのか判らない現状でも、存在できるという状態を示し
それはそのものずばり、彼女の心境だったりするんですね。
って。すっげー言い訳してるよ。今頃(笑)
だってぇ、その辺読み取ってくれた人、少なかったんだもん・・・。
それにしても、あれだねぇ。
たんなる”あばずれ”(笑)呼ばわりされるか、理解できる・・・かも?
の二種類しか感想が付かないってのは、どういうことなんだろうねえσ(^◇^;)
おっかしいなぁ。私はどっちのつもりでもなく書いたんだけどなぁ。
長くなりましたが、今回の結果は得票数5。
前回の0に比べたら、ぜーんぜん幸せ(^-^)<レベルの低い幸せだな・・・
付けられた感想のなかで、嫌いだといわれる事も多かったのですが
不思議と、集まったのは主人公バッシングで(笑)作品は気に入ってもらえたらしい。
この作品を読んで、みなさんがどう感じ取られるか。
それは皆さん自身の感覚で判断していただけたらと思います。