ためいき

「ためいき」をつくと　幸せが逃げて行くらしい

誰がそう言ったのか　それが真実なのか

誰も知らない

けれど　私は思う

私のしたたくさんの「ためいき」は　どこに行くのだろうと

ふわふわと風に乗って　遠い旅に出る

景色の色に包まれて　風の香りに包まれて

いつしかそれが　憂鬱のこもった「ためいき」ではなく

ただの風になるときがあるならば

ただの空気になるときがあるならば

誰かの深呼吸に紛れ吸い込まれていくのだとしたら

私の逃した幸せが　誰かの幸せになればいい

きっと　私の幸せも誰かの逃した幸せなのだと思うから

一人じゃないと思う時　「ためいき」の行き先を訊ねたくなる

ねぇ　あなたは誰の幸せになるの？

私から逃れて　誰の幸せになるの？

誰かはそれで　幸せになれるの？

「ためいき」は　巡り巡る　幸せな風の贈り物

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