サンタクロースはいると信じていた
遠い 遠い 真っ白な雪に囲まれた山の麓で
庭には トナカイを数匹飼っていて
毎年秋頃になると ソリの手入れに忙しいんだと
おりこうにしていたら プレゼントをくれるんだ
枕元に緑と赤のストライプの靴下を置いて
けして起きていちゃいけないんだ
サンタさんは 以外に恥ずかしがりやなんだって
ちょっとませたお年頃になると
みんなは口々に 言い始めるのだ
大人が必死で作り上げた世界を否定し始める
「サンタクロースはいないんだ」
「サンタクロースはパパなんだよ」
「うちはパパがいないからママなのよ」
みんながそうして 夢を壊すから
遙か遠い北の大地で 雪に囲まれた山の麓で
本物のサンタクロースは 今頃 大慌てに違いない
赤いブーツを履こうかどうか 迷っているのかもしれない