あとがき 〜「幸せを待つ日」〜
プロローグ
この部分はお話の流れを暗示しています。
実際、私がこの作品に対してのイメージとして設けた部分でして。
途中で詰まったりする時は、必ず読み返していました。
ラストのエピローグと読み比べてもらうと判ると思うのですが
「幸せを待つ日」という言葉の意味を感じてもらえると思います。
1.出会い
主人公柴田達二と悦子の出会いのシーンです。
作品の全体と関わってくる大事なシーンでもあり、一番最初に書いた部分でもあります
図書委員だった経験が生かされた一話となりました。
2.惜別の日
二話でいきなり悦子が死んでしまいますが、このお話はここから始まります。
それが最大のテーマであるのですが、一番苦心しました。
3.最後にできること
死別ということほど、悲しくて表現の難しいものはありません。
私自身、最愛の人をなくした事はありません。
祖母が死んだ時の事を思い返しつつ、書いて見ました。
大切な人の存在が無くなるという事。想像するだけで苦しいです。
4.さよなら
別れの言葉って、たった一言じゃないですか。
けれど、その一言にはやまほどの気持ちが込められている。
葛藤も、惜別もいろんな思いを込めて、の一言です。
5.死が分かつもの
身近に感じる死と、遠い死。その対比の中から
死と言うものの辛さや悲しさを描いてみました。
6.パソコンの向こう
頂いた設定の中に、ネット上に存在する妻の面影
というのがありまして、接点を持たせるためにチャットを使いました。
イキナリの展開におどろかれたでしょうか?うまくやればよかったなぁ。
7.似て非なる
忘れない面影を探してしまうことってあると思います。
些細な接点に、どうしようもなく焦がれてしまうことって。
8.雨の日に
達二と悦子の、若かりし頃です。
この後に出てくるシーンの為に差し入れた、二人の様子だったりしますが
割りと早めに出来ていたお陰で、その後の展開が楽でした。
9.一人を選ぶこと
人って一人じゃ、生きられないと思いますか?
それとも、一人で生きられると思いますか?
考えの違いで随分雰囲気の変る話だと思います。
10.重症
何が重症なのかは、ここまで読んでくだされば判って頂けるかと。
自分ではどうしようもないくらい、抜け出せないそんな頃です。
ちょっと、痛いくらいおかしな行動に走ることって、ありませんか?
11.もう三年、まだ三年
時間の経過なんて、ただの通過点。
そういう理屈で自分をなだめようとする達二の心情です。
12.優しい人
自分自身が辛い時、気が付かない周りの優しさがあります。
気が付けばそれは、例えようもない優しさ。
それで救われるものもあれば、苦しむものもありますが。
13.寂しさの罪
温もりが恋しいことってありますよね。
衝動的に誰かを求めることも、それをよしとしてしまうことも。
考えによっては不純でしかないけれど、一時的に救われることもあります。
14.似たもの同士
達二と美紗子。似ていると思う一方で、明らかに正反対。
でも二人で一緒に居る時は、どことなく近いと感じます。
もちろん、美紗子とJJの二人が似たもの同士であるという意味もあります。
15.満たされる日々
心の底から笑える日って、それだけで幸せだと思うのは私だけでしょうか。
心が晴れていなければ、笑えないでしょう?
ラストの展開はどうしようかと考えがあぐねていたのですが・・・
亜子ちゃんの存在に救われました。
最初に設定を頂いたのがずいぶんと前になります。
昨年中に仕上げるつもりが、昨年後半からの家庭の事情でそれどころではなく。
設定を頂いた雅弘さんには大変なご迷惑をお掛けいたしました。
それでも呆れもせずお付き合いいただけたこと、大変感謝しております。
また難しい題材に出会い、物書きとして苦心したこともいい経験になりました。
この作品に携わる機会を与えてくれた雅弘さんに感謝です。
ラストまでお付き合い下さいまして、ありがとうございました。