繋ぐ手の温かさを忘れたわけじゃないのに

どうしてこんなに 胸の中がざわめくのだろう

この手も その手も

しっかりと繋ぎあって ひとつの塊になって

そこには何にも邪魔するものなんてなくて

手の平の汗と

温もりを合わせただけの 微熱があって

 

たったそれだけ

たったそれしかないのに

 

繋ぐ手はしっかりと 私の心まで掴んだ

掴んで揺さぶって ざわめきでいっぱいにするんだ

 

嬉しいのかな

幸せなのかな

 

確かめる術は 申し訳程度にしか持ち合わせてなくて

だからぎゅっと 握り返した

指の骨が軋むくらい強く その手の存在を確かめるように

きっと今 指先を動かせないくらい束縛しているのに

なんでもない様にその手はあって

この手を握って 繋いで離さないんだ

 

こんなにも今 苦しいくらいに今

私のすべてを掴んで

心も身体も 繋いで離さない

 

少しのときめきと たくさんの安堵を与えて

 

あぁ そうなんだ

この手が好きなんだ

この人が好きなんだ

 

再確認させられる

 

繋ぐ手の温かさを忘れたわけじゃないのに

どうしてこんなに 胸がざわめくのだろう

泣きたいくらいに今 この手は温かい

 

 

 

 

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