声に出すだけで胸が苦しくて

あなたに向けるだけで唇が震えて

 

あなたの名前ひとつ

あなたへの気持ちひとつ

 

そこにあなたがいるだけで

それらはすべて あたり前のように心に居座る

 

苦しいと感じる時も 幸せだと感じる時も

変わらずそこに あなたがいるから

私の心は それだけできっと確立されている

 

あなたを好きだという気持ちも

あなたの名前を口にするこの唇も

何もかもが震えて

喜びにも悲しみにも この心は震えて教える

 

そこにあなたがいるだけで

私の存在意義まで確立されてしまうから

あなたを失う事だけは出来ないと どこかで怯えて過ごす

求める気持ちも 失いたくないと怯える気持ちも

背中合わせで あたり前のように心に居座る

 

手を伸ばして求めたら 目の前ですり抜けてしまいそうで

求めまいと俯いたら あなたは霞んでいってしまいそうで

 

あなたへの距離 知らずに測ってしまう

 

たった一歩で埋められてしまう わずかな距離でも

二人の間には 風が吹き抜けるくらいの空間

顔を見て 目を見て

あなたを確かめながら話せるくらいの 丁度いい至近距離

 

それさえ苦しいと思う時 どこかで嬉しいと感じていて

矛盾ばかりで答の出ない気持ちは

きっと 恋なのだろうと思う

 

そこにあなたがいるだけで

この気持ちは 恋になった

 

 

 

 

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