愛する痛み

 

 

時に、痛いくらい人を愛することがある。

心が痛いのか、気持ちが痛いと感じるのか。

それは定かではないけれど。

『痛い』と形容するのが、一番しっくりくるような気がして。

切ないほど人を想うときは、どこかが痛んでいるのだろうと思う。

苦しいほど人を想うときは、どこかが苦しんでいるのだろうと思う。

時に、痛いくらい人を愛することがある。

それが今だと、どこかで確信している。

 

締め付けられるように苦しい胸の中は。

愛しい人のことで一杯で。

溢れてくる想いも、溢れてくる情熱も。

全てを切なさに置き換えて、こぼれる涙に置き換えて。

痛みを忘れるくらいに愛したいと思う。

自分を忘れるくらい、想いに溺れてみたい。

愛をする自分に。

愛される自分に。

 

呼吸をするのと同じように何気ない、心の隅に巣くう愛しい存在を。

自分よりも大きな存在を。

ぎゅうぎゅうに押し込めて。

 

そう。

 

どこにも逃げていかないように、私の心臓に押し込めて。

身体中を駆けめぐる情熱を。

身体中を駆けめぐる想いを。

それらを糧に生きていきたい。

ぐるぐると駆けめぐる想いは、今も私を蝕んで。

愛しい痛みに、悶え苦しむ。

 

時に痛いくらい人を愛する。

それが今だと、どこかで確信している。

全身を襲う、愛しい痛み。

それが愛だと、どこかで確信している。

それが愛だと、確信している。

 

 

 

 

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