19.方程式
3月9日。3月10日。
今日で十九日目。
なにから書こう。書きたい事は山ほどある。
気がついたら、安原とラブホテルにいた。で、やっちゃってた。
今日の一日は、とりあえずこの大事件を書かなくちゃいけないと思う。
会って、ご飯を食べて。
今日は珍しく、俺と付き合えとか、あれこれ口説く事はしなかった。
これは諦めたんだなと、油断してけらけら楽しく過ごしちゃってた。
夜になって、じゃぁ帰ろうかってそうなった時。
なんか、急に。すごく寂しくなって。
で、何がきっかけだったなのか、正直わかんない。
してもいいよ。ってそう言ったのだけは覚えてる。
安原となら、してもいいよ。ってそう言ったよね。私。
シャワー浴びながら、私なんてこと言ったんだろうって、あれこれ考えた。
でも、これはいい機会かもしれないって思った。
安原とエッチして。嫌な気分になったらダメなんだって、はっきり答が出る。
向こうも、あっさり寝るような女だったんだって、駄目押しになるだろうし。
だけど、そんな風に思ったりしたけど、結局。
確かめたかったんだと思う。
安原のことを、どう思っているか。
痛い思いをしなくちゃ、結局自分で答を見つけられない大バカ者で。
だから私、安原とエッチしている間、ずっとずっと後悔してた。
もっとちゃんと、段階を踏んでエッチをすればよかったって。
エッチと恋愛は、やっぱ切り離せないんだって気がついた。
エッチなんて、誰とでも出来るってそう思ってたけど。
気がつかなかった。
お互いの気持ちのあるエッチって、大切だって。
恋愛の方程式、みたいな。
クサイセリフは、安原の受け売りね。