56.減ったなあ

 

 

4月15日。
今日で五十六日目。
ふとね、思った。友達減ったなって。
高校卒業してからしばらくは、仲良かった子達と連絡取り合ってたんだよね。
でも。遊びに行こうって話になるとすぐに、予定が付かなくなっちゃうの。
私はアルバイトしてて、そりゃ割と時間に余裕があるほうだと思うんだけど。
進学した子とか、就職した子とか。上京しちゃった子達は。
私とは全然生活のリズムが違う。だからだと思ってたんだけど・・・。
電話が減って、メールが減って。
手紙が減って、年賀状なんかも来なくなって。
気が付けば、友達がいなくなってた。減ったというより、居なくなったって感じ。
たぶんね、みんな新しい生活に飛び込んでいって、その時間を大切にしたら。
自然とね、そうなっちゃうもんなんだと思うんだ。
お堅い所に就職した子なんてさ、残業なんて当たり前でしょ?
会える時間を聞いたら、退社後の夜以降。折角の休日は、それなりに大切に使うだろうし。そうなるともう、全然ダメ。合わなくなる。
当たり前の様に会話も合わなくなって、自然離れて行っちゃうんだ。
寂しいって思うよ。高校時代の、ある意味青春だった頃の友達だからねぇ。
辛いことも楽しいことも、苦しいことも悩み事もみんな。
何もかもリアルタイムで感じて乗り越えてきた同志みたいな?
唯一無二なんていうと、大げさなんだけどさ。あの頃はかけがえのない人たちだった。

ある子がね、言ってた。お堅い所に勤めた子なんだけど。
「早くきちんとした仕事につきなよ。そうじゃないアンタはヤダ」ってさ。
夢を諦めた子だった。仕方無しにだけど、でも望む所へ就職決めた。
その言葉を聞いたらね、がつんと衝撃受けて、マジでショックだった。
私だって、遊んでるわけじゃない。アルバイトだけど、きちんと仕事してる。
まるで世の中の意見みたいに、フリーターはよろしくないって言われたみたいで。
理解してくれた友達だったから、余計に苦しかった。
今も、頑張ってるんだろうな。

遠く離れたけれど、応援してるからね。
アンタの言葉。めちゃくちゃ重かったけど、ごめん、まだアルバイトしてる。
これも私なんだって、今は思うんだ。ごめんね。

 

 

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