60.これだ
4月19日。
今日で六十日目。
最近、どんどん自分の好きなものが曖昧になっていくことに気が付いた。
きっかけは、バイト先で、ただ何気なく好きなものはなにって聞かれたんだ。
彼氏でしょ。って茶化されたんだけど、うんて冗談でも頷けなかった。
お気に入りのものって、無くなってきてる気がする。
昔は大好きな俳優とか、アイドルとかがいて、それを見たいが為にビデオとりまくったりしててさ。
好きだって追いかけていた俳優にも興味がなくなって。
あれれ?なにが好きなんだろうって、自分でも判らなくなってきた。
たまには、美味しいものが食べたいね。ってお母さんが言ってて。
その美味しいものって、なんだろうって二人で考えてた。
曖昧なイメージで、結局普通の献立になっちゃったんだけど。
これ。っていうものが、昔に比べて曖昧になってきた。
単純に好みとかもそうなんだけど、将来の目標とかもそう。
小さい頃は小説家になりたいとか、図書館の司書になりたいとか思ってた。
高校に入って進路を決めなくちゃっていう時には、栄養士とか調理師とか具体的なものも浮かんでたんだよね。
夢を追いかけて、小説家にっていうのもあったし、編集者もいいかなって。
だけどね、今はそんなこと少しも思わない自分が居るの。
これ。っていう具体的なものが、私の中から少しずつ無くなっていく。
それが、何もない毎日を作っているのかなって思って、今ごろになって焦った。
なにがそうさせているのかなんて、判らないんだけど。
たぶんね。世の中の甘くない部分を見ちゃったから、夢を忘れて。
叶える難しさを知ったから、どんどん諦めていってるんだろうって思う。
好きな俳優だって、いつかは結婚しちゃうだろうし。
夢だって、追いつけないと思った瞬間から、褪せていっちゃったし。
好きな食べ物だってそう。好きだからって食べまくったら、新鮮味も欠く。
今、コレだっていえるもの。
私の彼氏は、安原です。それだけ。悲しいったら、ありゃしない。